赤ちゃんの腕や足に出てる湿疹や赤みがなかなか引かないので、念のため専門医に診てもらった。
生後 2 ヶ月くらいになったら自然に引くことが多いみたいなのだけど、4 ヶ月を過ぎてもところどころに湿疹が出てくる。
こうなると、どうしても気になるのが「アトピー性皮膚炎かも?」ということ。
なるべく早く対処できた方がいいだろうし、大丈夫なら大丈夫で早く安心したい。
とにかく早く何らかの「結果』を得るために、受診することにした。
奥さんとお義母さんが行ってくれたので、僕は直接先生の話は聞けていない。
が、後から聞いた奥さんの話によると、アトピーの診察や治療が僕のイメージとはかなり違っていた。
いくつかポイントを押さえて、情報をシェアしておきたい。
アトピーの治療や予防は、皮膚のバリア機能を重視する時代
まず、診察結果としては「様子見」ということになった。
なんともモヤっとする結論なのだけど……。
アトピーかどうかは、血液検査などではっきり分かるものではないらしい。
腕や足にある湿疹や皮膚のカサカサは、
「アトピーっぽいけど、それほどひどくはない」
という見立て。
なので、とりあえず治療しながら様子を見て、次の診察(1 ヶ月後)で判断しましょう、という話になった。
うーむ……(´・ω・`)
まぁそんなにひどくないならいいのかな……。
今のアトピーの治療や予防は、「皮膚のバリア機能を改善する」ことに重きが置かれているそうだ。
なんとなく
アトピー=アレルギー
というイメージがあるけど、昔ほど重視はされていないらしい。
最近の研究では、アトピー素因というアレルギーの側面はあるものの、主因は皮膚の最外側の機能が弱く外からの刺激に弱い、 つまりバリア機能障害であるとされています。
(中略)
ここ数年は、新生児・乳児期からのしっかりしたスキンケアは、家族歴のあるアトピー性皮膚炎のみならず、食物アレルギーの発症も減らせる、との研究発表が相次いでいます。
- 最近の疫学的、遺伝的、分子学的研究は、一般的な前兆・病理学的特徴としての皮膚バリア機能不全に関心を向けている。
- アトピー性皮膚炎の病因論の現在の理解は、表皮の透過性増加、皮膚の病的な炎症およびアレルゲンに対する経皮感作をもたらす表皮バリア破壊が強調されている。
- したがって、多くの新しい治療戦略は、皮膚バリアや皮膚の炎症の特定の面をターゲットとすることを模索している。
- いくつかの研究では、ハイリスク乳児の皮膚保湿剤の早期使用などが、アトピー性皮膚炎の予防に有望であることも示されている。
アレルギーそのものをどうにかするのではなく、「そもそもアレルゲンが皮膚から入るのを防ぎましょう」と。
今の流れとしてはそうなっているようだ。
実際の治療としては、肌の保湿をしっかりすることが最優先。
その上で、症状が出ているところだけは、弱めのステロイドを塗ってみることに。
そのために処方されたのは、以下の二つ。
- 保湿剤:ビーソフテン(ローション)
- ステロイド:スピラゾン(ローション)
保湿剤は全身(顔以外)たっぷりと塗りたくった。
ステロイドは症状が出ているところだけ、狭い範囲で集中的に。
その結果、一晩で湿疹や赤みまでほぼ消滅。
さすがステロイド!( ゚д゚)
このまま症状が出ないようになれば、大掛かりな治療までは必要なさそう。
- 症状が強いところはステロイドを短期集中で使って一気に治す。
- 他は保湿剤でしっかりスキンケアして、皮膚のバリア機能を維持・強化。
今のところはこの 2 点だけを意識して、赤ちゃんの様子を見ていくことになる。
もし症状が悪化するようなら、それはそれで対策を講じないといけないんだろうなぁ。
それほど痒そうな素振りは見せてないし、たぶん大丈夫だとは思うけど……。
アレルギー検査は意味がない?
今回は先生が目視で診察しただけで、血液検査などはしていない。
専門医に診てもらうんだから、あれこれ特別な検査で原因を一発特定! みたいな期待もあったけど……。
残念ながら、そんな魔法の杖はないのが現実。
実は「アレルギーの検査はあまり意味がない」のだそうだ。
「偽陽性」といって、「本当は陽性(アレルギー体質)ではないのに、検査結果が陽性」になることがアレルギー検査では珍しくないとのこと。
病気の診断を例にとると、ある病気に罹っているかどうかを検査する場合の「偽陽性」は、実際にはその病気ではないのに検査結果が陽性に出たことを指します。要するに、真偽を調べる手段としての検査の結果が真実と違った結果を出すことを「偽陽性」や「偽陰性」というのです。
疑陽性と偽陽性 | 乱用薬物検査 | コラム | 臨床検査のLSIメディエンス
食物アレルギーの診断の基本は、特定の食物を食べて症状が出て、なおかつIgE抗体の存在が証明されることです。陽性だが症状が出ないものを食べ続けてどうなるかという問題ですが、通常は問題ないと考えて結構です。幼稚園や小学校ぐらいのお子さんでしたら、イネ科の雑草の花粉に反応する方が米や小麦に、ダニに反応する方がエビやカニに反応が出てくることはしばしば認めます。
良くある質問(食物アレルギー)|よくある質問|NPO法人 相模原アレルギーの会
食物の特異的IgEは一部を除いて、信頼性があまり高くありません。つまり血液検査で陽性を示さない物質にアレルギー反応が起こることがありえますし、陽性を示してもアレルギー症状を起こすとは限りません。これは診断をする上であくまでも参考になるということです。したがって検査で陽性だからといって食事制限を始めることはお勧めしません。陽性のものを食べたときに発疹などが悪くなるかどうかを観察してもらう参考にはなると思います。重要なのは、実際に食べて悪くなるかどうかです。
アレルギーの血液検査・パッチテスト(金属アレルギー検査)・パッチテストパネル検査 | おおしま皮膚科(静岡県浜松市の皮膚科)
偽陽性が出るのは赤ちゃんだからなのか、それとも年齢関係なくアレルギー検査では出やすいのか、それについては先生から奥さんは聞いてないらしい。
後から調べてみたところ、小さな子どもの方が出やすい傾向(出やすいものがある?)ものの、年齢問わず偽陽性は出るもののようだ。
いずれにしても、血液検査したら簡単にはっきりと判断できるようなものではないことは間違いなさそう。
例えば、採血検査や皮膚テストで感作が証明されていなくても食べればアレルギー症状を起こす人もいるし、逆に感作が証明されている人でもどんどん食べて症状が出ない人もたくさんいます。一番有名な例は、「新生児ー乳児消化管アレルギー」の赤ちゃんはIgE検査をしても全く上昇がなく、しかしミルクなどを飲んだら激烈なアレルギー症状をきたす病気もあります。採血検査でアレルギーかどうかわかるのであれば、アレルギー科やアレルギー専門医は不要です。
当院で3歳未満の乳幼児にアレルギーの採血の検査を原則していない理由 | かみぞのキッズクリニック
じゃあどうしたらいいのか、というと。
とのこと。
えぇと、つまりは
ということで良いのかな?
うーん、思ってたのと違う……(-.-;)
てっきり検査したら分かるもんだと思ってたのに……。
でもまぁ、それが一番確実かも知れない。
検査結果が大丈夫だったとしても、実際に食べさせるときは結局注意して見ることになるだろうしなぁ。
ヘタに「陽性」という結果が出てしまったせいで、食べられるはずのものを避けてしまう方がリスクかも知れない。
最終的には、赤ちゃん本人に聞いてみるしかないんだな。
もうすぐ離乳食も始まるし、なるべく早くにいろんな食材を試してもらおう。
アトピーとアレルギーについて、まとめ
僕もアトピー持ちで小さな頃からステロイドを使っていたから、赤ちゃんに対して使うことにも大して抵抗はない。
奥さんもそのあたりはあまり抵抗はないようだ。
ただ、中には頑なにステロイドを使いたがらない人も居るみたいだから、そういう人(の子ども)は大変だろうなぁと思う。
正しく使えば怖くないのに。
うちの赤ちゃんがアトピーなのか、何らかのアレルギーを持っているのか、現時点では分からない。
これから離乳食を食べ始めたり、行動範囲が広がっていろんなものと接触したりする中で、少しずつ明らかになってくるんだと思う。
その中でもし何らかの症状が出たとしたら、なるべく負担の少ない方法で、正しく治療してあげよう。
感情に揺さぶられたり振り回されることなく、正確な情報を仕入れること。
これも子育てにおいて重要な要素なのだ。
思い込みや思考停止に陥らないように、充分に注意していきたい。
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